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今、話題になっている「マイナス金利」を5行で説明すると…

  1. 私たちの預金の金利がマイナスになるわけではない
  2. 一般の銀行が日本銀行に預けているお金に対する金利がマイナスになる(= お金を預けるだけで預金が減っていく)
  3. 一般の銀行は日本銀行に預けず、もっと融資を増やすようになることが期待される
  4. 世の中に出回るお金が増え、円安になることが期待される
  5. 円安になれば日本の輸出産業が潤うことが期待される

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1. 私たちの預金の金利が今すぐマイナスになるわけではない
2. 一般の銀行が日本銀行に預けているお金に対する金利がマイナスになる
3. 一般の銀行は日本銀行に預けず、もっと融資を増やすようになる

私たちが普段銀行に預けているお金に対する金利がマイナスになるわけではありません。
一般の銀行が日本銀行に預けているお金に対し、金利がマイナスになります。つまり、お金を預けるとお金が減っていく、ということになるのです。

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これからは一般の銀行は日本銀行に預けると逆にお金が減ってしまいますので、日本銀行ではなく、企業など他のところにお金を貸し出そうとするようになります。そうなれば、企業はもっと投資を行うことができ、ビジネスを拡大することができます。企業の業績が良くなれば、その企業で働く社員の給料もアップし、消費が増えるので、景気が良くなることが期待できるというわけです。

ただ、実際にはそう簡単にいかないと思われます。銀行にはお金が余っているので、銀行が融資したいという企業があれば、もうとっくに融資しているはずです。今までは、銀行がお金を貸したいと思うような優良企業がなかったので日本銀行に預けていたのです。従って、いくら銀行にお金があるからといっても、企業向けの融資がどんどん増えるようなことにはならないでしょう。

そうすると、融資をしやすいのは、不動産担保ローンのように担保が取れる融資となるのではないでしょうか。もし融資が返済されない場合でも担保を差し押さえれば良いので、銀行としてはリスクが限定できるためです。

実は、グローバルに見ると、デンマーク、スウェーデン、スイスなどマイナス金利を導入している国はいくつかあります。デンマークでは、住宅ローンを変動金利で借りている人が、毎月、取引銀行から利子を受け取っています。住宅を買うために銀行から借金をしているのに、借金をすると利息がもらえるのです。そのため住宅を買う人が増え、デンマークとスウェーデンの住宅価格は上昇し、主要都市では住宅バブルへの懸念が広がっています。

日本でも、今後、住宅価格の上昇は心配されるところです。

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4. 世の中に出回るお金が増え、円安になることが期待される

マイナス金利は「自国の通貨売り=外貨買い」を増やして、通貨安をもたらします。

例えば、日本円で日本の銀行に預金していても、金利は非常に低いままだと予想されます。そのため、日本より金利が高い国で預金をする方が得になり、円を売って他の国の通貨を買う、という取引が増加するのです。


5. 円安になれば日本の輸出産業が潤うことが期待される

円安になると、輸出企業にとっては追い風となります。

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日本は輸出企業が多く、輸出企業の業績向上が景気向上の鍵となることが多いため、円安は日本の景気を支える重要なポイントなのです。

なぜ「マイナス金利」は「2016年1月29日」に公表されたのか

実は、今回日本銀行が「マイナス金利」導入を発表した2016年1月29日は、同日に公表された様々な経済統計(鉱工業生産指数、家計調査など)の数値が悪く、景気の減速が懸念されるような内容でした。

そのため、円安を支え、日本の景気を持続させることが目的としてあったのかもしれません。
いずれにせよ、日本銀行が、日本の景気を守るためにあらゆる手段を取る用意があるということが分かったニュースです。

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