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258世界の株式市場は年始に大きな下落を見せました。 日経平均も大きな下落を見せ、2016年2月12日に付けた年初来安値14,865円を底に16~17%程度の戻りを見せ、現在は17,000円付近の推移となっています。 景気がもっと悪化するのか、それともここで踏みとどまるのか、という状態で揺れ動きながら、少しずつ株価が戻ってきています。さて、今週はどうなるのでしょうか? 本日(前編)、明日(後編)の全2回に分けてお伝えいたします。

 

1.世界の金融市場は小康状態~若干の回復傾向に

理由① 原油価格が回復してきた(1バレル26ドル⇒38ドル)

2015年は歴史的な原油安が起き、1ドル26ドルまで下落していましたが、ここへきてようやく原油が上昇の兆しを見せ、1ドル38ドル前後まで戻してきています。

長期化する原油価格の低迷により、
1. 中東の産油国等が、財政が逼迫するようになったため、株式などの資産を売却
2. 米国のシェールオイル関連企業の経営破綻も懸念され、シェールガス関連銘柄に投資する投資ファンドの経営にも飛び火(⇒ シェールガスって何?なぜ急に米国で原油が取れるようになったの?)
3. 1と2に連鎖し、世界規模で駆け巡る投資や投機マネーが株式などのリスク資産から引き上げる方向に動いた
という状況が生まれ、株式市場の減速へとつながりました。

そのため、直近の原油価格の上昇および安定化の兆しは、株式市場にとって安心材料と見られた側面があります。
なお、ようやく原油価格が上昇してきているとはいえ、まだまだ安値圏にあります。ポジティブな動きが続いていますが、まだ予断は許しません。

あわせて読みたい
・なぜ原油が安くなったの?
・シェールガスって何?なぜ急に米国で原油が取れるようになったの?

理由② 外国人投資家の売りが止まって、日本の年金基金・事業会社の買いが多くなった

年始以降、外国人投資家が日本株を売り浴びせ、日本の年金基金・事業会社が買い向かう、という構図だったのですが、ようやく外国人投資家による売りが一服してきています。

投資家主体別売買動向: 外国人(週間)

日本では15週間連続で信託銀行の買い越しが続いています。信託銀行は年金基金の売買を反映すると言われますので、GPIFなどの年金基金が日本の株式を買っている、と捉えて良いでしょう。

また、事業会社による日本株の買いも増えています。事業会社が日本株を買っているという要因は大きく2つあります。1つは買収、そしてもう1つは自社株買いです。

自社株買いは、お金が余っている場合、低迷する自社の株価を支えるために自社の株を買うという株価対策です。日経平均が大きく下落した2015年9月や、2015年12月にも大きく買われています。自社株買いとは「いつからいつまでにこれだけの金額分を買う」という決定ですので、お金が余っているかが判明する期末に注文が集まる傾向があります。この法則に照らすと、次回のピークは2016年3月末にもということになりそうです。

投資家主体別売買動向: 事業法人(月間)

なお、日銀によるマイナス金利政策も、ここで一役買っています。現在の日本企業の平均的な配当利回りは約2%となっています。借入金利が2%よりも低ければ、お金を借りてでも自社株を買い戻した方が、結果的に会社が負担するコストが下がることになります。

さらに、これだけ金利が下がり、マイナスになるかもしれないと言われているご時世に、わざわざ現金を銀行口座に積み上げておくのは得策ではありません。それならばと、株主総会の前に、株主還元策の一環として自社株買いに踏み切る企業が続出しています。

自社株買い

出所: 日興アセット(2016/3/7)

表を見て分かる通り、自社株買いを実施するのは、経営が良好で安定しており潤沢な現金がある、あるいは企業の信頼が高く借入金利が極めて低い、という優良企業に限られますが、マーケットにおける金額的なインパクトは十分です。

明日の後編では、各国の金融政策の限界についてお伝えいたします。

 

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