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近年騒がれるようになったTPPですが、TPPの前に、まず世界の貿易についてどのようにルールが決められてきたのかをおさらいしましょう。

1. GATT(ガット)って何?

GATTとは、貿易の際に発生する関税に関する国際協定を指します。

General Agreement on Tariffs and Trade(関税及び貿易に関する一般協定)の略で、「輸出入の規制や関税などの貿易障壁をできる限り無くし、多国間で自由に貿易をしよう、自由な貿易を拡大しよう」という意図のものに作られた国際協定のことです。

1929年に世界大恐慌が発生し、世界経済は大不況となりました。世界各国は自国の経済を守るため、外国からの輸入を禁止したり、輸入製品には非常に高い税金を掛けたりして、大きな制限をかけました。ところが、輸出が行われなくなったことで国際貿易が止まってしまった結果、世界の不況はますます悪化し、長期化することになってしまったのです。

その反省から、輸出入を制限せず、自由貿易を維持する方が世界経済にとって有益であるという考え方を国際協定にしたのがGATTです。GATTは1949年に発足し、日本は1955年から加盟しています。

GATTの基本原則は、
① 関税・課徴金以外の輸出入の規制、貿易障壁の廃止
② 関税の軽減
③ 無差別待遇の確保
となっています。この3原則によって、世界各国の自由貿易を実現しようとしました。

GATT

出所:外務省(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/wto/data/pdfs/kakudai.pdf)

2. WTOって何?

WTOとは世界の貿易を取りまとめる機関のことで、GATTよりルールが厳しく、カバー範囲も広くなっています。

WTOはGATTを参考に作られた、より強い縛りのある国際貿易機関のことです。WTOとはWorld Trade Organization(世界貿易機関)の略で、世界各国がモノやサービス(旅行・金融・特許・技術など、目に見えないサービスのこと)の自由貿易ができるようなルールを作る機関です。GATTが主にモノの関税に関する協定でしたが、WTOはサービスや知的財産権にまで範囲が広がっています。

WTOは1995年に発足し、本部はスイスのジュネーブに置かれています。2015年11月現在、162の国と地域が参加しています。2年に1回、閣僚会議が開催され、様々なルールが決められてきました。

WTOでは、GATT体制に比べ、下記の点で強化されています。
・既存の貿易ルールの強化
特定の物品(農業,繊維)の貿易に関する協定を作成
・新しい分野のルール策定
サービスの貿易、貿易に関する知的所有権や投資措置に関する協定を作成
・紛争解決手続の強化
統一された紛争解決手続を採用

自由な貿易は重要ですが、一方で自国の産業を守ることも大切です。例えば日本では、国内の農業を守るため、戦後からお米の輸入を禁止してきましたが、1986年から1994年にかけてウルグアイで行われたGATTの会合で、お米の輸入解禁に合意しました(輸入はするものの外国産のお米には高い関税をかけることは認められました)。

他国との貿易に関する問題は根が深く、GATTやWTOがあっても、長年続く問題となっています。

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