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近年騒がれていたTPPですが、TPPとは一体何なのでしょうか?日本にとって良いのか悪いのか、おさらいしましょう。

 

1. TPPって何?

TPPとは、太平洋を取り巻く国々でグループを結成し、自由で開かれた貿易を実現しようという協定です。

関税とは、輸入する商品に課せられる税金です。税金が上乗せされる分、売価が高くなるので、輸入品を買おうとする意欲にブレーキが掛けられます。簡単に言えば、この関税をできるだけ取っ払ってしまって、自由貿易を進めようというのがTPPです。

TPPとはTrans-Pacific Partnershipの略です。「環太平洋戦略的経済連携協定」と呼ばれ、2006年、シンガポール・ニュージーランド・チリ・ブルネイの4か国によって発足されました。その後、範囲が広まり、太平洋環状に位置する12か国の国々(アメリカ・カナダ・オーストラリア・マレーシア・ベトナム・メキシコ・ペルー・シンガポール・ニュージーランド・チリ・ブルネイ・日本)がお互いに協力し合って貿易を強化していきましょうという流れになっています。

 

TPP

出所:内閣官房(http://www.cas.go.jp/jp/tpp/about/index.html)

2. 日本はなぜ参加したの?どんな影響があるの?

日本はアベノミクス経済発展の起爆剤にしようと考え、2013年に参加方針を表明しました。TPPは関税が撤廃され日本の輸出が増えるメリットがある一方、日本の農家は大打撃となる可能性があります。

日本は輸出国ですので、TPPの交渉がまとまり関税が撤廃されるなら、より多くの製品を輸出することができます、そのため、TPPが実施されれば、日本のGDP(国内総生産)は約3.2兆円も増加すると試算されています。

他方、安い農産品が海外から輸入されることになり、相対的に値段の高い国産品は太刀打ちできなくなると言われています。これが、日本がTPP参加に二の足を踏んでいた理由です。

現在、日本は海外から輸入する農産物に高い関税を掛けています。例えば米は778%、小麦は252%、バターは360%などの関税が掛けられており、輸入品の値段は何倍にもなってしまいます。もし急に関税が撤廃されてしまえば、多くの農産品が壊滅的な状態になると言われているのはこのためです。

そこで日本政府は、日本の農産業を守るため、「米・小麦・乳製品・砂糖・牛豚肉」の5品目は“聖域”として輸入品の関税を撤廃しないことを前提にTPP参加の方針を決めました。

 

3. TPP交渉はどうなったの?

日本が参加方針を決めてから約2年後の2015年10月、ついに12ヶ国の間でTPPに関し大筋合意に達しました。

TPPに参加するのは良いですが、どの商品の関税をどのように撤廃するのか、この交渉が長期化したのです。

TPP交渉では、アメリカから「日本の聖域の数が多すぎる」と主張され、関税を大幅に引き下げる方向での譲歩を強いられました。農作物を日本に売りたいアメリカは、日本の農業における聖域を減らしたいという意向がありました。逆に、アメリカの自動車産業を守るため、アメリカは自動車を”聖域”にしたいと考えていたのです。農業を守って自動車など輸出を増やしたい日本と、日本に農作物を売って自動車産業を守りたいアメリカの間で交渉が難航することになりました。

最終的には、日本は「米」を聖域として、アメリカからは「自動車」を聖域として認めることで合意しました。日本の自動車の最大の輸出先であるアメリカは、日本車に対し長期にわたり関税を掛けることになります。但し、日本の米の関税そのものは守られたものの、無関税で輸入できる特別枠が設けられることになっています。その他、牛肉は38.5%の関税が約9%まで引き下げられるなど、総じて輸入品の価格は値下がりする方向になっています。国内農業への影響は心配されますが、輸入食品の価格が下がることは消費者にとってプラスとなります。

なお、このTPP交渉内容は守秘義務契約を理由に明らかにされていません。交渉内容がオープンになってしまうと、内容によっては日本の農業関係者から猛反発を受けてしまうかもしれません。

一方、日本の輸出を支える工業製品については、

  • 日本を除く11か国全体で99.9%の品目の関税が、TPP発効後30年目までに撤廃
  • TPP協定の発効と同時に、品目数で86.9%、貿易額で76.6%の関税が撤廃

という結果となり、今後ますますの輸出促進が期待されることになりました。

こうした長期の交渉の末、2015年10月、ついに12ヶ国の間でTPPに関し大筋合意に達しました。日本の工業・農業を大きく左右する問題だけに、TPP発効後が気になるところです。

 

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