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1. 不良債権って何?融資とどんな関係がある?

不良債権とは、貸したのに返ってこない借金や資産のことです。銀行が企業に貸したお金が、企業の業績悪化などの理由で回収が困難になってしまったことを言います。

将来的に有望な事業計画のある会社でも、その会社が不良債権を抱えていると銀行は新たな貸出しに慎重になります。「また貸したお金が不良債権になってしまったらどうしよう」と思うからです。不良債権以外にも、既に多額の借入金がある会社にも審査は慎重になります。要するに、他にも借金を抱えている状態で、追加で貸し出してもお金が返ってくるかは分からない、もしくは一切返ってこないまま倒産してしまう可能性もある、と考えるためです。もし返ってこない場合、銀行は貸し出し損です。

こうなってしまうと、企業は借入を行うことが難しく、業績の立て直しや新規事業の拡大をすることが出来ません。
1990年代初頭にバブル経済が崩壊し、多額の不良債権に苦しんだ銀行は長期にわたって新規の融資に消極的になってしまいました。銀行が消極的になってしまうと経済の成長スピードは緩くなってしまいます。日本ではこうした事態が続き、1990年代前半から2000年代前半までの経済低迷期を「失われた10年」と言いました。

 

2. 銀行の「自己資本」って何?

「自己資本」とは、銀行自身が持っているお金のことで、銀行の体力をはかるバロメーターです。銀行の体力を見極める基準として、「自己資本8%ルール」というものがあります。

健全な銀行業務の運営をするには、国際的な規制に基づき、「自己資本が8%以上あること」というルールが定められています。これは、国際決済銀行(BIS)が決めたルールなので、「BIS規制」と呼びます。

銀行の「自己資本」というのは、簡単に言えば銀行自身が持っているお金や財産のことをいいます。銀行は個人や企業からお金を預かっていますが、そのお金はいつか返済しなければいけませんから、自己資本ではありません。あくまで自己資本は、銀行自身が業務をしていく上での”自前”のお金や財産を指します。

「BIS規制」とは、銀行が国際的に業務をする場合にこの自己資本が、「企業に貸出した金額の8%以上なければいけない」という規制です。ちなみに、国内のみで業務をする銀行は自己資本が4%以上必要であると定められています。

【例:X銀行が個人や企業に100億円貸し出している場合】
X銀行は、100億円とは別に8億円を自己資本として持たなければなりません。
貸出したお金が不良債権になって回収出来ないと、銀行も経営が苦しくなってしまいます。不良債権に場合に備えて、8%の自己資本(8億円)は持っておきましよう、というルールが設けられています。
反対に、自己資本が8億円しかない場合、その銀行が貸し出せるお金の上限は100億円までとなります。100を8で割ると12.5となります。つまり、銀行は自己資本の12.5倍までの貸出しが上限となります。

BIS規制

3. 貸し渋りと貸しはがしって何?

銀行が貸出せるお金が少なくなり、銀行自身が貸出しに消極的になってしまうことを貸し渋りと呼びます。また、貸出し先の企業や個人に対し、貸し出しているお金の返済を迫ることを貸しはがしと呼びます。

銀行は不良債権が増えると、その不良債権に対し自己資本を使って処理します。そうなると自己資本が減ってしまうので、貸出せる金額の上限が減ることになります。この状況が続いてしまうと、銀行自身が貸出しに消極的になってしまうのです。これが「貸し渋り」です。
また、不良債権が増えて銀行自身の経営状態が悪化したり、貸出し先の企業や個人の信用が不安になったりしたら、返済期限が来ていないのに貸しているお金の返済を迫るケースがあります。これを「貸しはがし」といいます。

信用によって市場にお金を融通している銀行が貸し渋りや貸しはがしをしなければならない状態ということは、お金を借りたい企業や個人にお金が行き渡らず、経済にとって大きなダメージとなります。

 

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