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【ロイターより引用】

[ロンドン/ダブリン 4日 ロイター] – 英国のオズボーン財務相は4日、国民投票の欧州連合(EU)離脱決定がもたらす経済的なショックを和らげるため、法人税率を15%未満に引き下げる方針を明らかにした。具体的な時期は示さなかったが、2020年までに現在の20%から17%に税率を下げるとしていた従来の計画よりも踏み込んだ。

経済協力開発機構(OECD)加盟国の法人税率の平均は25%となっている。

ブレグジット(英国のEU離脱)問題で英経済への信頼感は損なわれたものの、法人税率を下げれば国内企業の海外流出を食い止め、英国進出に二の足を踏んでいる米国や欧州企業の背中を押す可能性がある。

法律事務所ジョーンズ・デーのパートナー、ファーディナンド・メーソン氏は「今後EU内の英国の地位がどうなるかにかかわらず、法人税引き下げの見込みは一部の米企業にとって魅力となり続ける」と指摘した。それでも同氏は、英国が本当に外国投資家を引き付ける立場を得るためには、やはりEUとの関係を巡る交渉が鍵になるとみている。

一方、英国の動きが欧州各国の税率引き下げ競争を引き起こす恐れが出てきた。

アイルランドの運輸相はオズボーン氏の方針について、アイルランドから投資家を奪う「明白な狙い」があると懸念した。アイルランドの法人税率は過去20年にわたり12.5%に設定され、外国企業誘致の目玉政策として機能してきた。別の閣僚は、もしも英国が法人税率を12.5%まで下げるなら、アイルランドはもっと魅力的な税環境を整えるために新たな手を打つ必要があると話した。

オランダ財務省の報道官は、投資先としての魅力維持のための税率見直しについて「今後を視野に入れて検討中の問題だ」と語り、同国は課税逃れの対策を講じたい一方、投資環境に目を配る必要もあると強調した。

またドイツ財務省の報道官は、法人税減税の計画は公正でなければならないと述べ、行き過ぎた税率引き下げに警戒感をにじませた。

もっともオズボーン氏の新政権での去就と絡んで、法人税率が実際に15%未満に下がるかどうか分からない面がある。

英財政研究所のアソシエートディレクター、ヘレン・ミラー氏は「いつ税率を引き下げるのか、そもそも税率を下げるのかは判然としない。オズボーン氏が財務相の地位にいつまでとどまるか読めないからだ」と説明した。

オズボーン氏の積極的な法人税率引き下げ方針表明は、EUと今後の関係を巡って交渉を繰り広げるに当たっての先制攻撃だったと受け止める向きもある。

世界貿易機関(WTO)前事務局長のパスカル・ラミー氏は、オズボーン氏は対EU交渉における英国側の武器の1つをいち早く行使するとともに、英国がEU市場へのアクセス権を確保できるかどうか心配している外国投資家を安心させようとしたとの見方を示した。

ただラミー氏はBBCラジオで「オズボーン氏の立場からは理解できるが、この動きが欧州側に与える影響を考える必要がある。将来EUとの間で適切にバランスが取れた、双方に利益となる関係を望むのならば、租税競争を開始することで交渉準備に入るというのは心理的に適切な方法ではない」と提言した。

http://jp.reuters.com/article/britain-eu-osborne-idJPKCN0ZL00F?pageNumber=2

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【アナリストの着眼点】

イギリスのEU離脱後の経済対策が徐々に明るみになってきました。当然、離脱後のGDPの低下は当初から懸念されていたことですし、混乱の中イギリスに対しポジティブな見方をするアナリストは多くありませんでした。しかし、イギリスの株価指数であるFTSEは、国民投票の結果が出る前の水準まで急速に戻している状態です。ここで考えなければならないのは、イギリスの離脱がその他EU加盟国に対してどのような印象を与えるかということです。イギリスの例をみて離脱を考える国が増えるようなことがあると、欧州の問題はさらに拡大する可能性が高いと言えます。

 

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