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ニュースでたびたび目にするFRBという文字。FRBの声明一つで世界の株式相場が大きく動きます。そのためとても注目されていますが、FRBが米国の中央銀行ということは知っていても、詳しくは知らないという方も多いのでは無いでしょうか?

今回はそのFRBについて説明いたします。

 

1. FRBはアメリカの金融政策を決定する理事会

 

FRBとは、Federal Reserve Boardの略称で、日本語に訳すと「連邦準備制度理事会」と呼ばれています。”理事会”と名前がついていますが、アメリカの中央銀行です。日本でいうところの日本銀行にあたります。設立は1913年で、アメリカの首都のワシントンD.C.にあります。

理事会は7名(議長1名・副議長1名・理事5名)で構成されていて、理事の任期期間は4年です。理事会議長はアメリカ大統領によって指名されて、議会の承認を経て就任します。

FRBの目的は、世の中に出回るお金の量を調整することで、雇用と物価の安定を試みることです。世の中のお金の量を調整することを“金融政策”と呼びます。

そして、FRBは原則として以下の金融政策の検討をします。

 

1.政策金利の決定

FRBは金融政策会合で政策金利(Federal Fundレート:通称FFレート)を決めています。FFとはフェデラルファンド(Federal Fund)の頭文字を取っていて、連邦準備銀行の準備預金のことをいいます。この準備預金からお金を調達するときの金利(FFレート)を決定しています。

FRBでは、民間の銀行のFFレートを調整することで、不景気の時には、金利を引き下げる金融緩和を行います。過剰な景気(バブル)にならないように、景気が良い時期は、金利の引き上げを行って、金融引き締めを行います。

 

2.支払準備率の調整

支払い準備率とは、民間の銀行が預金の引き出しに備えて中央銀行に預けなければならないお金の割合です。この割合を変えることで、企業などへの貸し出しに回せる民間銀行のお金の量を調整することが出来ます。FRBは景気状況の判断をしながら支払準備率を調整しています。

支払準備率を下げると、民間銀行が貸出しや証券投資に回せるお金の量が増加します。

支払準備率を上げると、民間銀行が貸出しや証券投資に回せるお金の量が減少します。

不景気の時には、支払準備率を下げて、世の中にお金が回るように調整をして、景気が良くなると、支払準備率を上げて、過剰にお金が出回ってバブルにならないように金融引き締めをします。

 

3.公開市場操作(オープン・マーケット・オペレーション)

民間銀行を相手に国債や投資信託などを買ったり売ったりすることで、世の中に出回るお金の量を増やしたり減らしたりします。ちなみに、世の中に出回るお金の量のことを”マネーストック”と呼びます。

 

 ・ 買いオペ

FRBが民間の銀行から国債や投資信託などを買うことです。売った民間銀行はお金を手にします。景気が悪い時、FRBは買いオペを行うことで世の中にお金を増やしていくのです。

 ・ 売りオペ

FRBが民間の銀行に対して国債や投資信託などを売ることです。買った民間銀行はお金を支払います。景気が過熱気味の時、FRBは売りオペを行うことで世の中のお金を減らしていくのです。

 

 

2.大統領に次ぐ権威、FRB議長

 

現在、FRBの議長を務めているのは、女性の「ジャネット・イエレン」氏です。前議長のベン・バーナンキ氏の理事会では副議長を務めていました。バーナンキ氏の退任後、イエレン氏が議長に任命されて、FRB史上、初めての女性議長が誕生しました。FRBの議長の決定方針は、アメリカの経済だけでなく、世界の経済にも影響を与えるため、大統領に次ぐ権威、権力者と言われています。

 

リーマンショック後の景気後退からFRBは大規模な金融緩和政策を続けてきました。しかし、景気の回復が見えてきたことから、イエレン氏は5年以上続いた金融緩和政策の転換を図っていくことなります。

実際に2015年12月のFOMCでイエレン氏は、それまで続いていたゼロ金利政策から、0.025%の金利引き上げを発表しました。今後も、世界の経済状況と、アメリカ国内の経済指標を見極めながら金利政策を決定していくと思われます。

 

 

3.世界経済を左右する金融政策決定会合、FOMC

 

FOMCとは、Federal Open Market Committee(連邦公開市場委員会)の略で、FRBが金融政策を決定する定期的なミーティングのことです。

1年に8回開催され、この会合で金融政策が議論されています。

米国の経済は世界に与えるインパクトが大きいため、FOMCの決定は非常に大きな影響を持っています。それが、FOMCが世界中から常に大きな注目を浴びる要因でもあります。

 

 

4.連邦準備銀行を統括するFRB

 

昔からアメリカの人は”大きな政府”を嫌っていて、中央銀行を作ろうという計画があったときに「中央銀行に金融政策をコントロールされてしまう、そんなことは嫌だ!」という反対がありました。

しかし、景気が悪くなって、民間の銀行が連鎖的に潰れたら大変だ、ということで、各銀行が「いざという時にみんなで助け合いをするための銀行」を作ろうと考えました。その銀行が『連邦準備銀行』です。

 

連邦準備銀行は政府の銀行ではなく、どこかの銀行が潰れそうになったら助けるために、民間の銀行がお金を出し合って貯めておく銀行のことです。民間の銀行がお金を出し合って設立されたので、民間の銀行です。

 

アメリカではこの連邦準備銀行が国内に12行あり、それぞれの銀行で紙幣を発行しています。

12の連邦準備銀行は、ボストン・ニューヨーク・フィラデルフィア・リッチモンド・クリーブランド・アトランタ・シカゴ・セントルイス・ミネアポリス・ダラス・カンザスシティー・サンフランシスコに置かれています。

 

しかし、連邦準備銀行が設立された時は、それぞれの銀行が紙幣を勝手に印刷し、それぞれのエリアで勝手に金利を決めていたため、色々な問題が起こるようになりました。

そこで現在は、紙幣は12の連邦準備銀行で発行されていますが、金利だけは統一した方がいいのではないか?ということになり、「12の連邦準備銀行を統括して、金融政策を決めて全体をコントロールする仕組みをつくろう」ということになりました。その統括者が連邦準備制度理事会(FRB)なのです。

 

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