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「この企業の社債の格付けはトリプルAだから安心だ」

「●●国の国債の格付けが下げられたから国債の金利が上昇した。」

 

このような文言を聞いたことはありませんか。いったい「格付け」とは何なのでしょうか。誰が決めているのか?どうやって決めているのか?格付けが変わると何が起きるのか?

これらの疑問にお答えいたします。

 

1. 格付けとはいったい何か?

a.格付けの意義

債券のリスクと言えば「信用リスク」です。会社に何かが起こった時、例えば倒産などが起こった時に、約束されていたはずの利息や、満期に受け取れるはずのお金が約束通り受け取ることができなくなるリスクです。これを債務不履行と言います。

 

投資家としては、債務不履行に陥るような債券を買って損失を出すことは避けたいところです。しかし、一般の投資家にとって、その債券が債務不履行に陥るかどうかを調べることは、とても手間がかかる上に難しいことでしょう。そこで、債務不履行に陥る可能性がどの程度あるのか簡単に判断するための情報が求められることになります。

それが「格付け」です。つまり、格付けというのは債券の成績表のようなものです。あなたが投資しようとしている債券の安全性を判断する上での重要な指標となります。

 

b.格付けの種類

格付けはアルファベットで表され、基本的にはAAAがもっとも評価が高く、Dが債務不履行状態で最も評価が低いという形式になっています。以下の表が格付けの種類です。

 

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代表的な例として、

  • 日本国債はA+
  • 米国債はAA+
  • トヨタはAA-

となっています。(2016年10月現在 / S&P)

 

2. 格付けは誰が行っているか?

a.代表的な格付け会社

格付けを行っているのは、格付け会社と呼ばれている民間の会社です。しかし、多くの格付け会社があるわけではなく、知名度の高い格付け会社は限られています。代表的な会社を挙げてみますと、日本では格付投資情報センターや日本格付研究所等は有名です。米国ではムーディーズやスタンド&プアーズが有名です。

 

b.格付け会社の業務内容

格付けは、格付け会社のアナリストが対象企業の財務分析や業界分析を行い、判断します。また、対象企業の経営陣へのヒアリング調査をすることもあります。

格付けには「依頼格付け」と「勝手格付け」があります。「依頼格付け」とは、企業から格付けをするよう依頼されて行う格付けです。この場合はクライアント企業から手数料をもらいます。

「勝手格付け」とは、市場のニーズに合わせて、格付け会社が独自の判断で行う格付けです。国債の格付けは「勝手格付け」に分類されます。格付けに関するレポートの対価として投資家から手数料を受け取る場合もあります。

 

3. 格付けの変化によって起きること

格付けは現時点での評価を表しますが、格付け会社が下した評価によって投資家たちの動きが変わるので、格付け会社の判断が市場を大きく変動させることもあります。例えば、機関投資家の場合、ある一定以上の格付けの債券しか保有出来ないという社内規定があることが多く、格付けが下がると機械的に売却してしまいます。

なお、欧州でギリシャ危機が発生し、ギリシャの格付けが引き下げられた際には、国債が売られ、金利が一気に上昇してしまいました。また、ギリシャ以外の別の国の財政赤字も心配された結果、アイルランド、ポルトガル、スペイン、イタリアなどに問題が飛び火し、欧州全体の金融システムまで揺るがす事態となりました。

 

このように格付けの変化は市場に大きな変化を与えます。今、日本でも財政赤字が深刻化していますので、近い将来、日本国債の格付けが引き下げられて、国債価格が暴落する日が来るかもしれません。

 

 

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