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先日、楽天がサッカー・スペインのバルセロナと来シーズンからスポンサー契約を結ぶと発表しました。バルセロナといえばあのメッシが所属している名門チームです。楽天がなぜスポンサーになったのか、他の日本企業も参考にしながらお話します。

1. 楽天はなぜスポンサーになったのか

 

今回楽天とFCバルセロナ(以下バルセロナ)は来シーズンからの4年契約で年5,500ユーロ(日本円で約64億円)、また上記金額とは別に成績に応じて楽天がバルセロナにボーナスを支払う内容で契約を結びました。

そもそも楽天の三木谷会長がバルセロナの主力選手と以前から交流があったことが契約に至った背景のようです。またバルセロナからすると、既に楽天がプロ野球やJリーグなどスポーツと深い関わりがあり、スポーツへの理解があったことも大きかったのでしょう。

楽天がバルセロナの「胸」スポンサーになることで得られるメリットは「認知度」(ブランド)の向上にあると考えられます。楽天は日本市場でこそ認知度は高いですが、海外では広く知られているわけではありません。2008年以降、海外展開を進めてきた楽天ですが、今年に入り東南アジア・ヨーロッパの各拠点を閉鎖しています。

元々は、日本の売上が総売上の80%以上を占めるなど、日本に偏っていた収益構造を改革するために海外展開は始められましたが、初進出の台湾を除き、あまり成功しているとはいえません。

ではなぜ、海外展開を縮小しているのにバルセロナのスポンサーになるのでしょうか。これは恐らく今年に入ってからの東南アジア・ヨーロッパの各拠点の撤退があくまで「一時的」なものであり、再度、海外ビジネス拡大を楽天がにらんでいるものと思われます。つまりバルセロナの「胸」スポンサーになることで海外での認知度を高め、その上で再度海外展開をしていく計画ではないでしょうか。

サッカーファンは自身が応援しているチームのスポンサーに対して特別な思い入れがありますから、今回の契約は大きな効果を生むかもしれません。今後楽天がどのようなサービスを提供していくのかに注目です。

 

2. 過去にはこんな日本企業がスポンサーに!

 

楽天のニュースは大きく報じられましたが、日本経済に勢いがあった時期には、数多くの日本企業が海外のサッカーチームの胸スポンサーになっていました。例えば経営再建中のシャープはかつてイギリスのマンチェスターユナイテッド(日本代表の香川真司選手がかつて所属)の初代スポンサーでしたし、トヨタもイタリアのフィレオンティーナ(中田英寿選手がかつて所属)のスポンサーでした。海外展開している(またはしようとしている)企業にとって人気スポーツであるサッカーに投資する意義は大きいといえるでしょう。

近年はバブル崩壊や新興国の台頭により日本企業がスポンサーになることは少なくなりましたが、少しずつまた増えてきています。昨年は横浜ゴムがイギリスのチェルシーFCと5年契約(総額約368億円)のスポンサー契約を結んだことで話題になりました。チェルシーFCはイギリスのチームであり、ヨーロッパでNo.1に輝いたこともある強豪です。

横浜ゴムは中期経営計画で「グローバルな規模の拡大」を掲げており、チェルシーFCとの契約はその一環といえるでしょう。横浜ゴム以外には、日産がヨーロッパのNo.1を決めるチャンピオンズリーグのスポンサーに、エプソン、日清食品も先に挙げたマンチェスターユナイテッドのスポンサーになっています。

日建設計はバルセロナのホームスタジアムであるカンプノウの改修工事を担うことが決まっていますし、「ウイニングイレブン」などのゲームを手掛けるコナミは、サッカーゲームに関して3年間のプレミアムパートナー契約を締結しています。楽天のスポンサーのニュースは、そうした流れに続く形となりました。バルセロナと日本の関係はこれまで以上に密なものになってきていると思われます。

今後人口減の影響で日本市場は縮小していきます。海外展開の流れは加速するでしょうから、楽天のようにスポンサーになる企業がまた増えるかもしれません。

 

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Photo by Getty Images

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