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ファイナンシャルプランナーをしている株式会社FP-MYS代表 工藤崇です。この度、News Vestaにて相続や不動産についてコラムを書くことになりました。つい後回しにしてしまう家庭内のお金の悩みにスッキリとお答えしていきます。


「株式投資」は10年前、どこか財テクのようなイメージがありました。最近は周囲の環境も大きく変わり、家計資産を「殖やす」ひとつの方法として定着しています。国もNISA(少額投資非課税制度)により、投資の後押しが活発になってきています。40歳や50歳になって、それまで投資に興味がなかったものの、投資を始める方も多いようです。ただ、株式のリスクを回避するため、投資信託(投信)が支持を得ています。

1.株式投資好きの親が亡くなったら証券はどうなる?

さて、この投資ですが、家計上は「資産」です。現金や不動産と同じです。これは株式も投資信託も、ETF(上場投資信託)も同様です。資産である以上、親世代から子世代に資産の移る相続では、親の名義から子の名義に変更しなければなりません。

 

この名義変更手続きは、株(投資信託)を購入するときに依頼した証券会社が手続きをしてくれます。子どもが行う必要のあることを、楽天証券の案内ページから見てみましょう。この時に、相続資産としてどのような手続きをするとよいか、丁寧に教えて貰えます。

 

①担当窓口に「相続の手続きがあること」を伝える。
②死亡した親の名前、生年月日、住所等の個人情報を伝える。
③相続の手続きが開始する。一時的に親の所有していた有価証券の引き出し等ができなくなる。
④相続人代表者の口座に移管します。代表者が証券口座を所有していない場合は、ほかの金融機関に送金することもできます。

参考:楽天証券webサイト https://www.rakuten-sec.co.jp/web/help/inheritance/

 

2.相続における「評価額」の考え方

現金と異なり、証券は相続資産において「評価額」という考え方で計算します。上場株式の場合は、以下の4つのうち「最も低い金額」を評価額とします。

・相続開始の日の終値

・相続開始月の終値平均

・相続開始月の前月の終値平均

・相続開始月の前々月の終値平均

※ すべて小数点以下切り捨て

 

一方で投資信託の場合は、その投資信託の値段を示す「基準価額」が算出されます。相続においては、親が亡くなった日の基準価額が相続評価額として計算されます。このように、株式と投資信託で計算方法が異なりますので注意しましょう。

 

たとえば、基準価額3,000万円で子どもが相続し、3,500万円まで上昇してから売却した場合は、上昇額の500万円が譲渡益となり、譲渡所得という税金の対象になります。

3.生前の名義変更は「贈与税」の対象

相続税の改正にともなって「生前贈与」が注目されています。この基準価格3,000万円の投資信託を親の生前に名義を子どもに変えるときは、「贈与税」という相続税以外の税金の対象になります。贈与税には年間110万円の基礎控除枠があるため、以下の計算式となります。

3,000万円-110万円(基礎控除)=2,890万円×50%

=1,445万円ー175万円(控除額)=1,270万円

なお、今回のような場合は贈与税の「特例税率」に該当します。特例税率とは、直系尊属(祖父母や父母など)から、その年の1月1日において20歳以上の者(子・孫など)に贈与するケースです。この場合は、5%前後低い税率が適用されます。

 

3,000万円-110万円(基礎控除)=2,890万円×45%

=1,300.5万円ー265万円(控除額)=1,035.5万円

 

この説明をすると、毎年110万円ずつ投資信託の名義を変えて、贈与税も相続税もかからないようにしよう、と節税対策を考える方がいらっしゃいます。しかし、3,000万円だと贈与税がわかることを「認識していて」、複数年度に分割した場合、贈与税が請求される可能性がありますので注意しましょう。このあたりは税理士などの専門家に相談すると良いでしょう。

 

今回は、証券と相続税、贈与税の関係をお伝えしました。相続直後は亡くなった親を送り出すことでいっぱいになり、証券の手続きなど細かいところまで考える余裕がなくなるもの。カスタマーサービスの充実している証券会社に相談して、遅れなく手続きを進めるようにしましょう。

 

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