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これから更に本格的な女性活躍社会が到来するといわれます。この国にとっても家族の形と「働く形」に多様性を持つことができる、素晴らしい傾向だと思います。今回はこの傾向を、生命保険へ加入するという視点から考えてみましょう。いわゆる(専業)主婦と、男性が家事を担う「主夫」は、どのような違いがあるのでしょうか。

 

1. 一家の大黒柱は終身保険に加入しよう

 

一昔前は、男性なら正社員、女性ならば・・という定義づけが残っていましたが、最近はほとんどなくなりました。女性より男性の方が収入が高い、ということも十分に考えられる時代です。この場合、一家の大黒柱にもしものことがあると家計への影響も大きいもの。男性だから、女性だからを問わず、一家の大黒柱は終身保険に加入するようにしましょう。

 

終身保険に入る際は、万が一のときに遺された家族の生活費なのか、それとも住宅ローンの返済や教育費なのかを考えるようにしましょう。後者の場合は、それぞれ特化した団体信用生命保険(団信)や学資保険という「特化型」があります。また死亡や高度障害という終身保険の保障範囲内まで深刻ではなくとも、病気やケガで一時的に仕事を休まなければならない、という状況に対応する医療保険があります。

 

これらの保険を必要に応じて加入するようにしましょう。そして、加入するときは「大黒柱を担っている人の名義」、そして支払者とすること。こうすることで、保険金が配偶者や子ども達に相続されるとき、相続における生命保険の非課税枠を活用することができます。

 

相続時の生命保険非課税枠=500万円×法定相続人

 

※ 法定相続人とは、法律よって定められた「相続を受ける権利のある者」を指します。法定相続人となることで、相続時にさまざまなメリットを受けることができます。

 

2. 遺族年金の制度が改正されたことを知っていますか?

 

数年前までは「主夫」について、遺族年金の適用状況については不利といわれていました。主婦であれば適用される保証内容が、主夫の際は例外となることもありました。

 

代表的なものが遺族基礎年金です。遺族基礎年金とは、すべての人が原則加入している老齢基礎年金において、年金保険料の納付期間内にもしものことがあった場合、「18歳未満の子がいる親」に支給されます。遺された家族の生活を最低限保障する制度です。以前は保険料納付者が男性の場合、「主婦」に対して支給されていました。

 

筆者がファイナンシャルプランナー資格の勉強をしていた約10年前、資格予備校で主夫は対象外という説明を受けて、時代に即していないな、と感じたことをよく覚えています。時代の変化を受け、2014年に法律が改正され、「主夫」も対象となりました。

 

ところが、まだ前時代の流れのままの制度もあります。遺族基礎年金と同様に遺された人の生活を守る「遺族厚生年金」です。

遺族厚生年金の受給者が妻の場合は、年齢に関係なく受給できますが、問題は受給者が夫のとき。夫の場合は55歳以上でなければならず、支給開始も60歳以上という制限があります。なお、遺族基礎年金を受けている夫に関しては、年齢制限に関わりなく需給することができます。

 

3. 遺族年金の違いを前提に生命保険を選ぶべきか?

 

男性が働いて、女性が家を守って・・という時代の名残を感じる年金制度。それでは、この男女差に合わせて民間年金保険への加入を考えなければならないのでしょうか。この答えは、YesでありNoであるといえます。

 

現行の遺族年金は、確かに主夫は不利です。老齢基礎年金の男女差も自浄努力ではなく、司法で違憲判決が出てからの改正といった他力によるもの。2017年現在、遺族厚生年金については改正の傾向が見えているものではないため、まだ暫くの時間がかかるともいえるでしょう。

 

ただ、様々な働き方を認めるダイバーシティの進捗は現代社会にとって必須。女性の社会進出を阻む考え方は、過去とは比較にならないほどのスピードで変更されていく時代です。老齢厚生年金についても同様のことがいえるため、まだ20代や30代の若い方は特に、終身保険の加入は「遺族厚生年金の変更」を見越してプランニングをするようにしましょう。

 

「主夫」と主婦の違い、今後社会で解決すべき大きなテーマです。社会全体で行われる議論に注目していくようにしましょう。

 


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