お金が貯まったのでタワーマンションを購入するが、相続時の注意点は?

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 将来は広い窓から見える夜景を独り占めしたくて、定年の数年前に豊洲で買ったタワーマンションの25階。思い切った買い物でした。物件費用に関してはほとんどキャッシュで購入したため住宅ローンの負担感も少なく、いずれは長男に相続資産として渡したいという目論見も合わせて購入しました。

 

購入するときにはメディアで専門家が「高層階のタワーマンションは節税になる」と言っていて、書店にもタワマン節税!と書かれたたくさんの書籍が並んでいました。ところが勇んで購入した5年後、今度は手のひらを返したようにメディアで「タワマン節税はもう終わり」という言葉が流れ始めます。いったいどういうことなのでしょうか。タワマン節税の仕組みと国税庁からの指摘点、購入者がどのような点に気をつけるといいかを合わせて考えてみましょう。

 

1.タワマン節税のスキームと現状

まずはタワマン節税のスキームを簡単に抑えましょう。タワーマンションを売買するとき、現金は「時価」を適用します。売主と買主が、相場値を踏まえて合意した金額です。一方で相続に関しては、その物件が面している道路の価格(路線価)をもとにした相続税評価額を算出し、適用します(路線価による算出ができない物件は固定資産税評価額をもとに算出)。

 

ここで売買する物件が高層階のタワマンの場合、問題になります。時価は階数によって値段が変わり、一般的に高い階の方が高くなる傾向があります(間取りによって違いもあります)。一方の相続税評価額はというと、現状は階数による違いがありません(階数不問)。そのため、高層階のタワーマンションを購入して「すぐに相続」すると、現預金を相続するときと比べ、大きな節税効果を期待できるということです。

 

この時価と相続評価額の差額を活用して、相続が行われる(行われると予想される)ときにタワマンを購入し、相続後「すぐに売却」するという方法が流行しました。本来居住用住宅としての資産であるタワマンが相続対策としての側面が強調され過ぎたことと、富裕層しか活用できないことを重く見た国税庁が「今後、高層階に応じて相続評価額を見直す」という表明。2017年の税制大綱にて改正される見込みとなりました。

 

2.タワマン節税は今後どうなっていくのか

気をつけたいのは、相続対策としてタワーマンションを購入し、相続後に売却するのがすべてNGではないということ。実際タワマン節税が注目されてから国税庁が指導を出すまでも長い期間がありました。相続後、子世代に相続するも住み手がいなくなり、それでも固定資産税はかかるため、止むを得ず早めの売却に踏み切ったというケースもあるでしょう。100%節税目的の場合とどのように区分けするか判別が難しかったという面があるでしょう。

 

税制大綱の段階でどのようなケースが「黒」と判定されるのかはわかりませんが、現在の予想では居住用としてまったく利用していないか、利用期間が著しく短い場合、税務署のチェック対象となりそうです。筆者が仲の良い税理士に聞いたところ、まずは明らかな相続税対策が勧告対象となり、次第に範囲を拡大していくのではともいわれています。

 

ただ、繰り返しになりますが、居住用に購入した物件が相続資産として対象になったとき、評価額の算定はやはり大きなメリット。タワーマンションだからといって、一律に(時価と近くするなどで)評価額のメリットを削ぐのは良い方法とは思えません。

また、相談者にとって(富裕層かどうかを関係なく)、実際に購入してから節税のメリットを適用できるかどうかが明らかになる、というのは避けたいもの。実際に不動産は(特にタワーマンションは)トライ&エラーができない高価な物件です。願わくば今回の2017年の税制論議で、結論が生まれて、周知されることに期待したいと思います。

 

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