ベンチャー企業経営者と公務員の夫婦で異なる価値観 ⑤実家との関係

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ファイナンシャルプランナーをしている株式会社FP-MYS代表 工藤崇です。この度、News Vestaにて相続や不動産についてコラムを書くことになりました。つい後回しにしてしまう家庭内のお金の悩みにスッキリとお答えしていきます。


みなさまは「生活の基盤」といえば、どの街を指しますか。それは、生まれた街でしょうか。それとも生活した街でしょうか。

 

連載のなかで何度か書いていますが、筆者は北海道生まれ、妻は長崎生まれです。ひょんとしたことからお互いに20代前半のとき東京で出会いました。かつ、筆者は長男、妻は長女です。それほど意識したことはありませんが。ただ、時々考えます。生きているあいだに、北海道に「帰る」ことはあるかと。

 

1、東京から帰ることはあるか?

 

もちろん「帰る」とは、一時的な帰省を含みません。生活の基盤がいまの東京から移ることはあるかという意味です。筆者は北海道から東京に来て今年で12年。このなかで、3段階で東京を離れない理由が出来てきました。

 

①東京に来て3年が経って、このまま東京にいるのかなと思った2008年頃。
②結婚して東京で家族を持った2009年。
③東京で独立した個人事業主が法人化した2016年。

 

結婚生活のなかで、妻に「長崎に帰ることはあるの?」と聞くと、「ない!」という即答が帰ってきます。このあたりの郷里に対する感傷具合は男女差によるものなのか、それともパーソナリティによるものなのかはわかりません。しかし、もう僕たちは一人ではないということは、生活圏を考えるときにもっとも顕著に意識させられます。

 

2、異なる意味で東京に杭を打ち込んだ生活

 

妻は公務員として東京で勤務しています。転勤の可能性はありますが、現在の住まいからの通勤が難しくなる可能性は少ないでしょう。いわば東京の地に就職をすることで、杭を打ち込んだ生活です。

 

一方の筆者は大手町に会社を構えています。それは既に僕個人と別の、法人という人格。極端な話をすると、筆者が北海道に帰って故郷で生活をすることがあっても、会社はここに遺ります。それは東京に杭ではなく、もっと大きい何かを打ち込んだ生活といえるでしょうか。

 

東京で杭を打ち込んだ2人は、仕事仲間も友人も東京に広がっていきました。脆弱な杭ではなく、専用の機械でコンクリートに打ち込んだ杭です。ただ、これが抜ける可能性があるとすれば、それは「実家との関係」です。

 

3、夫婦で異なる実家との関係

 

ファイナンシャルプランナーとして仕事をしていると、相続の相談を良く受けます。そのなかで「実家を相続したのだけどどうしたらいいのだろう」という相談を受けます。実家のような財産は相続の前に子世代の所有者を決めておくべきですが、親が突然の病気に見舞われるなど思い通りにいかない部分でもあります。

 

FPとしても「実家をどうするか」という仕事をすることは多いです。ただ、簡単な問題ではないことは心得ています。自分自身が幼子のときから生まれ育った実家だから、親の希望や兄弟との調整は思い通りにいかないことも多いでしょう。

 

もし僕ら夫婦が幼い頃からの顔馴染みか何かで、お互いの実家が近かったらまた違った感触だったかもしれません。けれど、生活圏さえ別々の夫婦は運命共同体というか、リスクを分散化した同居人という印象も強い。実家との関係において、片方は他人です。お互いに地盤が東京にあるなかで、どういう判断をしていくのか。

 

言い換えれば、相手の環境が他人だからこそ、お互いの決断を尊重していくこと大切かな、と考えています。筆者はファイナンシャルプランナーなので、専門的な知識を妻の実家の時も役立てていければいいなとも思います。自分はともかくとして。ただ、もちろん他人なので、そこは妻と、妻の家族に対して、適切な距離感を持つことが大切ですね。

 

世の中には、相続における実家の扱いが上手く進まず、空き家になってしまう家も多いようです。現在は建物が建っていると固定資産税などの税金が軽減対象となりますが、それもいつまで続くかはわからないという見立ても。

 

夫婦でも、入り込めない問題。入り込まないことで、適切な夫婦間の距離とも直結していくのかもしれませんね。

 

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