ベンチャー企業経営者と公務員の夫婦で異なる価値観⑥子どものいない相続

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ファイナンシャルプランナーをしている株式会社FP-MYS代表 工藤崇です。この度、News Vestaにて相続や不動産についてコラムを書くことになりました。つい後回しにしてしまう家庭内のお金の悩みにスッキリとお答えしていきます。


 

「子どものいない夫婦は、早めに遺言を書いておいた方がいい」といわれたことがあります。通常子世代に渡る(と推測される)はずの財産の行き先がわかりにくく、相続を執行する遺族や専門家が困ってしまうという理由です。少子化の波を受けて、「子どものいない相続」が増えているという実感もあります。

 

筆者はいま、経営者をしている34歳。妻は2歳下で公務員をしています。ファイナンシャルプランナー(FP)なので相続のことは専門家としてよく知ってはいますが、我が家の相続を考えたことはありません。なぜかというと、まだ30代だから。昔の歌詞にありそうですね。

 

1、相続は明日やってくるかもしれないし、50年後かもしれない

 

 

FPという仕事をはじめて本当に感じたのは、人は「まさか」に対して気持ちのどこかで準備はしつつも今ではない、と考えてしまうのではということ。FPが個別相談でよく口にする言葉があります。

 

人生は上り坂と下り坂と、もうひとつ坂がある。それは「まさか」です。この代表格が相続です。仮に亡くなったとしても最終回まで天国から戻ってくる。それはアニメの世界の話。

 

準備は今ではなくても大丈夫でしょ、という気持ちの人も多いでしょう。ただ、FPとして日々考えることは、相続は明日やってくるかもしれないし、50年後かもしれない。特に子どものいない我が家にとっては、手書きの遺言でもチラシの裏に書いて封をしておかねばと思うほど(これでも自筆証書遺言として有効です)。

 

ちなみに縁起でもない話ですが、明日僕が亡くなると僕名義の財産(言うほどありませんが)の2/3が妻へ渡されます。残りは北海道の両親です。仮に子供がいると、1/2が妻で残りの1/2が子どもです。僕が遺言を書いているとその希望が尊重されますが、僕が家族以外の人に渡そうとすると(愛人とは一言も言っていません)、妻には最低保証分を請求する権利があります。縁起でもない話が火曜サスペンスのようになってきましたね。

 

2、嫁ブロックのない家では、死別は長いドキュメント映画の終わり

 

 

先人の経営者が書いた本を読むと、会社を経営していると「まさか」と思うような出来事があります。先人は乗り越えたから本を執筆している訳で、筆を握りながら事業にピリオドを打たざるを得なかった方もいるでしょう。

 

一方で組織のなかで生きるとはとても大変なこと。最近、夫婦で「意思決定」について話をする機会がありました。筆者にとって戦略、お金の使い方にしろ、これで行くと決めたら即座に会社の決定になります。一方で大きな組織に属する妻にとっては、個人の意思ではなく、様々な利害関係を調整して結論を出していく必要があります。ベンチャー企業では方向性を変えることはピボットと呼ばれ戦略の一つですが、大きな組織はそうはいかない。

 

だからこそ方向性の違う人生を見ていることは、相続をエンディングとしたドキュメント映画を見ているということではないでしょうか。子どものいない夫婦には、それを引き継ぐにあたり代表的な子どもがいない。

 

筆者の会社では現在相続のサービスを作っていて、相続人にメッセージを残そうとしています。それは相続において承継対象となる「資産」が、ただのお金や不動産ではなく、亡くなった人が人生をかけて取り組んだ結果が相続する資産という筆者の考えにもとづきます。

 

一生をかけて構築に取り組んだ資産が、相続人の意思の違いによりトラブルになる。それはなかなか耐え難いものだからこそ、「相続対策」に強い関心が持たれていくのですね。

 

今後も、長いドキュメント映画を見ていきながら、万が一のときの準備を進めていきたいと思います。自分だったらこの人生はまず無理だったけど、一番近くで見ているならば面白い。もちろん、火の粉がかかってくる可能性はあるけど、そこはともに生きる矜持というもの。そんな考えも面白いのではないでしょうか。

 

 

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